フィエル (Fier)
フィエルの近郊では石油や天然ガス、瀝青などが産出した. 特に瀝青や天然ガス田の存在は、1世紀頃には既に知られており、古代の医者ペダニウス・ディオスコリデスが『マテリア・メディカ』(『薬物誌』、『ギリシア本草』)の中で触れている. また、ストラボンはこう記している.
''「イリュリア地方のアポロニアの地には、ニンファエウム(nymphaeum)と呼ばれるものが産出される. これは、炎を発する石のことである. また、その石の下からは瀝青を含む熱水の温泉が出る. -(中略)- 瀝青はアポロニア近郊の丘陵で採掘される. 掘られた部分は、別の場所でアスファルトに変えられた部分の土を持ってきて埋めるのである. 」''